その13

でも大丈夫さ。辻加護を失っても、僕らにはまだ吉澤ひとみがいるじゃないか!
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モノクロカット。モノクロでもやっぱりあのジャンバーはありえない。しかし、それをしれっと着こなしてしまう吉澤氏にはもはや言葉は不要。どんな美辞麗句も彼女の前には陳腐な形容詞へと成り下がってしまうのは当然の結果と言えよう。
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かつてこれほど世界を激震せしめた写真があっただろうか、いやありはしない。全米が泣こうが、あの『タイタニック』を超える興行収入だろうが、アカデミー賞最多8部門にノミネートされようが、この写真を前にしては虚しいから騒ぎである。年金が未納で国中が騒いでることなんてこの写真を前にしては「バカバカしい」の一言に尽きる。
かの大指揮者アルトゥーロ・トスカニーニも、この写真を見て、「美はここに完成した」とタクトを置いたし、棟方志功もこの写真を見て彫刻家として生きることを決心した。彼の作品によく見られる菩薩の数々は、吉澤ひとみの美にインスピレーションを受けているのはあまりにも有名な逸話である。
それにしても美しい。